株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第31回 オープンまでに…

商業施設新聞 2017年4月18日(火)掲載

最近、テナントの開発担当者が出店に際してデべとの経済条件その他の件についてのタフな交渉事がある程度まとまり、契約そしてオープンまでのプロセスで越えなければいけない幾つかのハードルを上手く越えることが出来ず『出店断念』せざるを得ない例がいくつか見受けられる。

これまでもこの欄で折に触れ記してきたが、

あらためてそのハードルとは?を挙げてみたい。

➀社内根回し。いざ出店となると必ずと言って『出店反対』と唱える人が出てくる。その為の説得に難儀することも多い、従って事業計画書等をきちんと作り、社内根回しを忘れずに!但し中小企業においては開発を社長が担当の場合が多く、あまり問題にはならない。

②B工事&スペック。テナントにとって厄介で避けられないのがB工事である。デべ指定の業者から、予想外に高く又法外な見積り請求される事も多い。ゆめゆめ油断することなかれ!又特に飲食関連のテナントにおいては、排気量の不足などのスペック問題が出てきてその工事代金負担で双方相容れずバツになるケースもある。

③人手不足問題。今や社会問題にまでなっている?現地採用で人募集広告を出しても予定している募集人員が集まらないという人手不足の現実、特に小売・飲食関連においては夜遅くまでの営業時間などが嫌われ需給バランスが完全に崩れ、必然的に計画をした人件費計画にまで影響が及び止むを得ず外人労働力に頼らざるを得なくなることが当たり前となりつつある。

④決算書。大多数のデべにおいては、出店契約をする前に様々な書類の提出をテナントに求める。事業計画書・出店申込書・会社登記簿謄本等などである。そして忘れてはならないのが税務署に提出した『過去3年分位の決算報告書』(勿論コピー可)であるが、これが極めて重要な意味を持っているのである。

デべにとっては今後のお取引をするであろうテナントを見極める上での大変重要な物差し=判断資料となるのである。テナントの開発担当者であれば、『ここ何年か業績が芳しくないので…』と言われない為にも会社の業績をしっかりと把握しておく必要がある。

以上4項目を挙げてはみたが、これら以外にも越えなければいけないハードルが出てくるかも知れない。再度繰り返すが、これらのハードルを越えられないで契約に至らず結果『出店断念』の例を何度も見てきているのである。

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