株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第30回 開発コンサルというお仕事

商業施設新聞 2017年3月21日(火)掲載

 平成28年に新規開業したSCの数約50を加えて日本のSCは3200を優に超えた。
そして今年もかなりのオープン予定がある。と同時に既存SCにおいても消費構造やマーケットの変化、
はたまた核テナントの撤退などによる入替え等で活性化を図ろうとしているリニューアルやリノベーションは
都心型の駅ビルやファッションビルから郊外型のショッピングモールまで数知れず…。

 その為の『リーシング』という言葉もかなり一般的になってきたが、その『リーシング力』の優劣によって
成否が左右されるといっても過言ではない。 
その『リーシング』を主たる業務にしているのが『開発コンサル』なのです。
古くはこのような仕事は主にレジを売る為にレジスター会社の営業マンが、内装工事を取る為に内装業者さんが、
そしてコンセプトなどを策定する企画屋と言われるプランニング会社が…そんな時代もあったのです。                  

 それでは『開発コンサル』とは一体何をするのか?一口で言うとデべとテナントとの橋渡し役に尽きる。
それぞれのニーズ、思惑に対して、時にはMDの相談に乗ったり、独自の意見や提案をを投げかけたり…と、
豊富な情報量と的確な判断力でサポート、解決していくのである。あくまでもニュートラルな立場を崩すことはなく、
極めて重責を感じながらその考動には慎重を期すが、それだけに達成できた時の喜びは大なりである。

出店開発の面において賃料等の経済条件面、その他諸々の付帯条件等々については経済合理性が相反する立場のデべとテナントの間に入り調整役となり、
正に潤滑油の役割を果たすのである。相互の主張ばかりが前に出るとまとまるものもどこかに飛んで行ってしまう例も数多く見られる。

 我が社においても年に何度かネット等を利用して『人材採用』をすることがあるが、意外なほどの応募人員数がある。
面接において事業内容の説明をすると、応募動機は様々でも大多数の応募者が
『こんな仕事があったのですか、初めて知りました。面白そうですね』との答えが返ってくる。
日々刻々と変わる時代の流れを見極めながら、追求していけばいくほど難儀であるが、それがまた大変面白い、そのような仕事なのです。
不動産業者とは一味違う『開発コンサル』というこの仕事が残念ながら流通業界の一部にしか理解されておらず、
まだまだ広く認知されていないのだとつくづく思うのである。

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