株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第18回 ファッションが売れない!

商業施設新聞 2016年3月15日(火)掲載

 永い間消費社会を牽引してきたファッション衣料が売れないという。統計データからも明らかである。昨年度全倒産件数が減少しているにも関わらずアパレル関連の倒産は2年続けて件数・負債額が増加している。また衣料品の輸入は過去10年で最低だという。様々な理由が考えられるが、店頭での販売不振に尽き、今後も回復の兆しがなかなか期待できない。 あの『イトキン』が投資ファンドの傘下になり再建を図るというニュースが流れたり、バーバリーブランドとの提携解消後の『三陽商会』もそれに続く後継のブランドが伸びず下方修正を余儀なくされている。いまインバウンド効果で恩恵を受けている都市型百貨店においてもアパレルの苦戦が伝えられている。GMSと言われる量販店においては、今や食料品が主力となり衣料品はもはや利益を生み出せないお荷物になりつつある。           
昨年5月に発表のあったあの『ワールドの3年間で400~500店舗閉鎖』のリストラ策も表面化し、今全国の駅ビル・SCではその後釜探しに躍起となっている。特に中小SCにおいてはなかなか後継テナントが決まらず催事で埋めたりでの大苦戦が伝わってくる。
 とここまでネガティブな事ばかり記してきたが、その一方で『この様な時期だからこそチャンス!』とばかり出店攻勢をかけている元気印ファッションテナントもいるのだ。全ての店が売れてないわけではないのである。
また駅ビル・SCなどにおいても、これまでのファッション区画をセグメントした雑貨やサービス区画に切り替えようとの新しい動きが顕著に見られるのである。
そして見逃せないのがEコマースの世界であり、すでに米国においては全小売売上高の7%強にもなっているという。あらゆる商品が手軽に買え、注文したら当日とか翌日配送到着は当り前、コンビニでの受取りも可能などと物流面でも進化している。
この様に消費社会の構造が、日々大きな変化をしつつあり、そして確実に新興勢力の台頭などが見られる。
今開発担当者としては、経営者共々『何をどうしなければいけないのか?』との開発戦略と同時に、将来を見据えた明確なビジョンを再構築する時期に来ているし、そのジャッジメントこそが重要課題であり企業の永続性そして繁栄を左右するのではないかと思うのである。
あらためて言うならば開発担当者の責務は、それ程重いのである。

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