第47回 開発担当者3つの愚痴
商業施設新聞 2018年8月20日(月)掲載
猛暑というより激暑と言った方が適切な今夏の暑さ熱さ。『どうにかならんかこの熱さ!』と愚痴ってもお天気だけは神任せ、どうにもならない!
そんな時古くからの開発仲間(テナント)と『暑気払い』=情報交換会と言う名の呑み会を池袋で! 他愛もない業界話、開発情報…話題が尽きない。
ほどほどお酒も回った頃、ある中堅飲食店の開発課長、この仕事に入ってゆうに10年以上になるベテランがこんな事を愚痴った。
『最近良い案件だと思って提案するのだけど周りとか上司にことごとくダメを出されてしまい参ったよ!』
…どんな案件かと聞いてみるとさほど悪くはない。会社の業績も以前ほどではないがほどほどに安定しているのに。
こんな例はいくらでもある。自分では活けると思っていても、情報収集不足データ不足により、社内プレゼンでの説得力に欠けていたのではないか?と原因はいろいろと考えられる。会社の成長と共に出店のハードルが高くなっているのかもしれない?更に開発担当者では計り知れない財務内容に問題があるのか、いずれにしても社内様々な部署・担当者との事前コミュニケーションが欠かせないのは開発に限らず当り前の事だろう!
又大手などで良く見受けられるのが、『出店のノルマがきついのだ!』との愚痴。年度初めの目標『今期出店数**必達』等のノルマを開発に課す場合も多く、それによりついついノルマに追われてしまい無理な出店につながる事も多い。ただ単に店数を増やすというより、如何に利益のとれる店を出せるかが重要なのに…。
そしてこんな愚痴もよく聞かれる『何故ウチには良い案件が回ってこないのだろう?』
こんな愚痴を言う前に『自己評価より他人の評価の方が必ず低い』という法則をご存知だろうか?自分の会社・店が世間ではどのように評価されているかをあらためて考えてみる必要がある、その為には『ブランド力』を高める事、一朝一夕ではできないが日頃からMD・社員教育…やるべき事はたくさんある筈だ。
売れると思って出店しても全てが利益を出せるとは限らず、結果的に当てが外れる例も数多いのが世の常。赤字をいつまでも引きずらないでうまい退店を考えながら、次の『儲かる店』をどうやって創るか、時にはデータよりもカンと経験が優先される場合もある。
だからこそ『開発』はオモシロイのだ!