株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第43回 大競争時代に

商業施設新聞 2018年4月17日(火)掲載

4月の声を聞いた。都心で咲き誇った満開のサクラも今や北上し東北から北海道へと進んでいる。

新年度を迎えた会社・企業も数多く新たなスタートを切った。

流通業界においてもここにきて昨年度の実績がマスコミを通じてあちこちから発表されているが、9期連続増収増益で売上800億円超をめざすという関西の大型SC、そして関東でも日頃からの販促を見直し地道な積み重ねで過去最高の業績を達成したモールもある。都心においてもシネコンも併設した大型複合商業施設が3月末に日比谷で開業し、新たな商業ゾーンが拡がり銀座共々活性化している。

これらの例にとどまらず、全国各地で開発リニューアルが盛んに行われている。

その一方で何十年近い歴史のある百貨店が地元消費者に惜しまれながらも閉店というニュースも伝わってきた。

正に生き残りをかけた熾烈な競争社会、実に悲喜こもごもである。

いろいろな競争がある。

小売り業者と言っても百貨店・GMS・スーパー・専門店・コンビニ等がある。それぞれの業態の中での同業者との競争、そして地域間での競争、とりわけEC業者との競争、そのシェアは年々拡大し脅威となっている、それらのECの世界にも新規参入業者がますます増え続けている。

と言いながら深刻な人手不足、それによる人件費の高騰は避けられない問題であり、また物流コストも同じくであり今後も大きな課題となって、解決への道は簡単には開かない。

一方賢くなった消費者にとってみると、何を買うにせよ、そのライフスタイル・目的によりどこの店をどのように利用するか?選択の幅は拡がっているのである。

この様な経済社会環境下=大競争時代だからこそ、それぞれの業者は何をなすべきか?真剣に模索すべきであり、しっかりと仕組みシステムを考え『居場所の構築』が必要になる。

昨年暮れからこの春の商戦を見てみると、この『居場所の構築』が出来ている店と、それが出来ずふらふらしている店とでは、その差がますます開いていく即ち『二極化』が深く静かに進行しているようである。

年度初めだからこそ足元から見つめ直してみる必要があるのではないだろうか、大競争時代に取り残されない為にも!

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