株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第8回 開発の裏で…

商業施設新聞 2015年5月19日(火)掲載

 『新宿にゴジラ出現!』と話題になった歌舞伎町のコマ劇場跡地が生まれ変わりシネコン・ホテル・パチンコ店を併設したSCを東宝がオープンした。
激戦区埼玉では『ららぽーと富士見』が…大宮コクーンでは更に増床し巨大なSCになるという…越谷ではイオンがレイクタウンで秋までに全テナントの60%超を刷新する大規模なテナント入れ替え等の計画がある。
そして西では大阪梅田で『ルクアイーレ』が華々しく…と全国各地から開発のニュースが飛び込んでくる。その裏ではディベロッパー企業並びにテナントの開発担当者が差別化と希少性と目新しさを合言葉に独自色を出すのに必死である。

 桜も散りかけた春の宵、昔からの開発仲間とビール片手にそんな開発情報をとりとめもなく話をしていたある居酒屋の席で思いもかけずこんな話が出た。『***の開発部長のAが辞めたんだって!』びっくりの話である。我社とも取引実績のある大手飲食チェーンで永年勤めた開発部長Aが昨年暮れに退職したとのこと。それだけなら別に珍しくもなんともない、しかしその裏にはとんでもない事実があったという。
どうやらA開発部長は出店が成功した場合、常套手段?として不動産業者等の若手担当社員と組んで、会社から『開発料』を多めに引き出し、後々自分の口座にそれを還流させていたという。しかもかなりの年月にわたって、一社のみならず数社を仲間に引き込んでいたそうだ。何故にばれたか?についてはここでは差し控えるが、かなり派手に行っていたことは確かである。
そしてその後は…?退職してほどなく今度は新興の飲食チェーンで再び開発の仕事をしているという。こちらの飲食チェーンには、我社は昨年2店舗の開発実績があったし、どちらの会社も社長のことをよく知っている。こんな現実が目の前で起こったのある。

 そして思い出すのが、かなり以前の話だがこんな事実もあったことも付け加えておきたい。ある誰もが知っている駅ビルにて、ディベ担当者があるテナント出店に際しコンサルタントに便宜を図り、なにがしかの金品の授受があったことが発覚し、社長が怒って『すべてのコンサルタント出入禁止!』のお触れがかなりの間出回った。

 開発の仕事はその場で金銭授受が行われる訳ではないので、往々にしてこんなことも起こりうる、何故なら開発業界も『人間社会』だから…。

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