株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第39回 百貨店のすすむみち2

商業施設新聞 2017年12月19日(火)掲載

暮れの商戦も終盤戦に入ったが、相変わらず小売り流通面においては思うような成果が出ていないようだ。

都心型百貨店においては円安株高の恩恵で富裕層に時計貴金属などの高額品が売れている、またインバウンドによる影響も一時ほどではないが根強く受けている。

しかしこれらがいつまで続くのかは不透明であり、これまで売り場の花形であった婦人服の売り上げがこの秋冬物については気温の低下という天候にも恵まれいささか持ち直しているものの苦戦状態に変わりはない。

『モノからコトへ』と言われて久しいが、婦人服の売り場が縮小され、雑貨とかサービスそして飲食店及び食料品の充実を!そんな動きも顕著である。

そして今百貨店のSC化が進んでいる、GMSにおいても同じような流れがあちこちで起きている、即ち自社MDを縮小してテナント導入を図りその面積の拡大により客層を広げ更に広域から来店客を増やそうというものだ。

その一方では大手アパレルメーカーからの供給を受けるだけではなく、自主MDとしてのモノづくり=自主開発により他店との差別化・独自性というSPA型への試みも大きな課題として残っている。

先日ある有力駅ビルの担当者と雑談をしてたら、『あの百貨店の子会社のコスメショップが出店の売り込みに来ました。』又別の百貨店子会社の雑貨屋さんが駅ビル戦略を掲げ積極的に出店攻勢をかけてる…その様な情報も教えてくれた。

日本のみならずアメリカの大手百貨店業界においても生き残りをかけて、新業態の開発等に力を入れているとのニュースも伝わってくる。

いずれにしてもしっかりと消費構造の変化、ライフスタイルの変化に対応し、これまでのビジネスモデルからの構造改革が早急に求められている。

一足早く『脱百貨店』戦略を実践し収益を上げている所もあれば、乗り遅れ試行錯誤状態と様々であるが、厳しい状況下におかれている地方百貨店も含め経営者がどの道を選択するかという『かじ取り』=そのジャッジメントの重要性が将来を左右するのは間違いないようだ。

一日も早く『百貨店の復権』を望んでいる。

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