株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第6回 優勝劣敗の法則

商業施設新聞 2015年3月17日(火)掲載

 SCの新規開発が留まるところを知らない。 市街地再開発、建替え、リニューアルなど様々であるが、今春だけで約30位の新規、そして年間を通すと約50位のSCが開発されるという。そして東京オリンピック開催の2020年までの5年間でも、それこそ全国津々浦々に開発が進んでいるのである。

 東京では銀座5丁目・6丁目の大型案件計画、渋谷道玄坂の再開発、紀尾井町のホテル跡の建替え、そして鉄道系の駅ビル、高架下の開発等他イロイロ、更に全国各地でのショッピングモールの計画も多数、大手ディベロッパーがそれぞれの思惑で建築費の高騰、職人不足、円安等々の問題を抱えながらしのぎを削っている。
決して避けることのできない競争社会であり正に『SC飽和時代』である。
自ずからそこに生まれるのは、テナントの奪い合い、同質化、賃料の競争、人手不足、更に競争に敗れたテナントの撤退による空洞化、等これまで経験したことのない諸問題・壁が必ず出てくることは何よりも必然である。

 かたや消費経済社会に目を向けてみると、決して追い風は吹いてないという厳しい現実があるのである。少子高齢化による社会構造の変化、可処分所得が思うように増えないばかりか減少するという中小企業社会、更に所得格差、地域間格差、そして何よりもインターネット通販を上手く利用する賢くなった消費者の意識・行動は決して見逃せないのである。

 各ディベロッパー企業のみならず、そこに出店するテナントの経営者及び開発担当者にとっても『どこに』『どんな手』を打つか?その選択・意志が最重要課題となる。
強いSCはより強くなり、そして競争に敗れるSCが必ず出てくるのは容易に想像出来る。既存SCにおいても今日の勝者が、うかうかしているといつ敗者になるかは解らない。これが正に資本主義社会のオキテであり、ここにも【優勝劣敗の法則】は生きているのである。

 思い起こせば東京オリンピックと共に、高速道路ができ、新幹線が開通等様々な社会構造変化が起きたのが1964年(昭和39年)。これから2020年のオリンピックまで現代社会がどの様に変化・進化するのか・・・この変化に対応できる企業のみが生き残れるのかもしれない。

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