株式会社ジェイ・プラン

COLUMN
だから開発はオモシロイ

第42回 今そこにある危機

商業施設新聞 2018年3月19日(月)掲載

この4月1日から新年度に入ったばかりだが、今年度はこうしたい!とか、新たにここを変革したい!とかあれこれ策を練っているビジネスマンも多いと思うのである。

そして最近アメリカからこんなニュースが飛び込んできた『百貨店・ショッピングモールが大苦戦!』日本社会においても全く同じような現象が見られる。百貨店のSC化、そして撤退も珍しくない。

いろんな要素・原因が考えられるが、賢くなった消費者が利用し拡大一途の便利なECの台頭による消費構造の変化、少子高齢化もその一つそして何よりも年々商業施設の増加による競争激化が最大の要因ではないかと思われるのである。

それによりデべ・テナントを問わず必然的にマーケットから脱落せざるを得ない企業も必ず出てくるのだろう。

資本主義社会の経済下、それぞれの会社・企業が生き残りをかけ自己責任の名において成長戦略は当り前の事、それに伴う開発行為は宿命とも言えるのである。そこで流通開発業界に目を向けて見ると一筋縄では行かない現実も多い。

新規オープンを間近に控えているが未だ何区画かテナント決定に至らず、催事にでもしようかと悩んでいる中小SCの開発担当者もいる。その一方では、好立地に有力SCを持つある大手デベロッパーにおいては自社の苦戦SC物件でなかなか後継テナントが決まらない空き区画について、前者の好立地に出店したければ後者の空き区画にも出店して下さいと、いわゆるバーター取引条件をテナントに強いるリーシングもまかり通っているのである。

いずれにしても大小を問わずテナント・デベロッパー共々競争激化の波にさらされながらも決して避ける事も出来ず、かといって将来を約束されている訳でもない。

そんな時ふと思い出したのがこの稿のタイトル《今そこにある危機》である。

ずいぶん昔見たような気がするハリソン・フォード主演の映画のタイトルだ。

《今そこにある危機》が現実に迫っているかも知れないという危機意識を持ちながらも、脱落することは許されず生き延びなければならない、なんとも余裕のない且つ油断のできない難しい時代になったものだ!

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